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医療用かつらで心に光

美容師が普及活動

抗がん剤治療で髪を失った女性のために、盛岡市の美容室「chinon(シノン)」の美容師多田光利さん(48)が医療用かつらの普及に取り組んでいる。活動を始めて2年。これまで30~70代のがんと闘う女性42人にかつらを提供した。「自分らしさを取り戻してほしい」。前向きの心が病の克服につながると信じ、がん患者と向き合う。

 女性向け医療用かつらを提供するNPO法人「日本ヘアエピテーゼ協会」(東京)の講習を受け、2013年4月に取り扱いを始めた。がん治療で髪を失った叔母と常連客から相談を受けたのがきっかけだった。
 医療用かつらは、頭の形に合わせて裏地のネット部分を調節でき、毛量を変えられる。髪形もカットで自在に作ることができる。料金は人工毛と人毛の混合タイプが12万円で、人毛のみは13万円(税別)。購入後1年間の調整は無料。
 医療用かつらを取り扱う美容室は全国的に少ない。同NPO認定の美容室は全国に37店で、東北では多田さんの店と福島の1店だけ。美容師の精神的な負担が大きいのが要因という。
 多田さんも「初めて髪が全て抜け落ちた女性を前にした時、何と声を掛けていいのか分からず戸惑った」と打ち明ける。薬の副作用を独自に学ぶなど試行錯誤しながら患者と向き合った。次第に悩みや不安を受け止める覚悟が生まれた。
 多田さんは「おしゃれをして外に出れば前向きになれる。病の回復にもつながると思う」と話している。
 連絡先は美容室シノン019(625)6806。

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