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バレないなウィッグ

 かつら作りを通し、がん患者支える

市川の美容室「アンジェリーク」

 
 
がん治療の副作用で髪を失う女性のためにかつらを作り、不安に耳を傾ける――。市川市内でそんな活動に取り組む美容師がいる。自然な仕上がりが安心感につながり、市内外から患者が訪れる。

市川市のJR本八幡駅近くの美容室「アンジェリーク」代表の木野高宏さん(48)と店長の中村有希子さん(31)。店の2階の個室で、医療用に開発されたかつらを、患者の頭に合った形に縫い整え、希望のスタイルにカットする。

利用者の多くは、乳がんの抗がん剤治療を受ける女性たちだ。かつらの製作には約2時間かかる。その間、「脱毛した姿を夫に見せたくない」など髪に関するつらい思いのほか、病気に伴う不安を打ち明ける人も多い。「少しでも気持ちを安らげることができたらと、聞き役に徹します」と木野さん。

美容室を構えて20年以上になる木野さんが、かつらを手がけるようになったのは5年ほど前。伯母が白血病を患い、ふさふさだった髪が抜けてしまったのを見てからだ。インターネットで、医療用かつらで患者を支援するNPO法人「日本ヘアエピテーゼ協会」(本部・東京)が、かつらを扱う「再現美容師」の講座を開いているのを知り、受講。かつらの知識のほか、抗がん剤の種類や特長、患者の心情を学んだ。

病院にチラシを置かせてもらい、徐々に反響が広がった。2年前には県外の患者のため、東京・銀座に専用サロンを開いた。木野さんを手伝ってきた中村さんも、再現美容師に。これまでに約300人が、木野さんの店で、かつらを手にした。

自分らしくアレンジされたかつらをつけると、女性らの表情が明るくなる。「家族に笑顔で接することができる」「ママ友とのランチやお迎えもできる」「子どもの入学の記念写真を撮れた」といった声が届く。

昨年7月にかつらを作った船橋市の会社員女性(49)は、年末に抗がん剤治療を終えた。しかし、副作用でむくみやしびれがある。かつらがきつく感じられ、中村さんに縫い目を緩めてもらった。「ウイッグをつけての生活について『大丈夫』と言ってもらえ、安心できた」。

再び生えてくる自髪を整え、かつらを外す時までケアは続く。「身近で寄り添う存在でありたい」と木野さんらは願う。

かつら代は、1年間のメンテナンスや治療前後の自髪のカットなどを含め、標準タイプで12万6千円。問い合わせは「アンジェリーク」(047・393・6707)。
(永井啓子)
 
 朝日新聞(2014年2月24日)
 
連絡先はアンジェリーク、電話047-393-5777
電子メールはmail@angelique-hair.com
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