
オリジナルウィッグ作りで患者さんに寄り添う美容師
鳥取県倉吉市で医療用ウィッグをつくる横川千歳さんは、中国地方で最初の再現美容師に認定された元がん患者の美容師さん。
抗がん剤治療の影響で脱毛した髪をウィッグで再現するNPO法人、日本ヘアエピテーゼ協会の活動に参加し、再現美容師の資格を取り、多くの患者さんのケアをしています。
『がん=死だと思って、私もう死んじゃうんだ、頭が真っ白になりました』
35歳で乳がんを発症した女性美容師。乳房の切除などの後遺症で、美容師として働くことが難しくなりました。
絶望の中、社会とつながりたいと始めた「ウイッグ作り」。
がん経験者として患者に寄り添い続ける、美容師の思いを取材しました。
(米子支局 映像取材 中島北登)
患者に寄り添ったウイッグを作りたい
倉吉市で美容室を営む 横川千歳さん(51歳)。
美容師として働くかたわら、がんや脱毛症などによって、髪の毛が抜けた人のために、オリジナルの「ウイッグ」を作っています。横川さんがウイッグ作りを始めたのは15年前。
乳がんを発症したことがきっかけでした。治療のため、左の乳房を摘出した横川さん。
横川千歳さん
「胸をなくすという感覚がわからなくて、女の部分と母の部分が失われたっていうところがすごくショックでした。受け入れられない自分がいて、何も悪いこともしていないし、不規則な生活もしていないのにとか考えていたら、行きつくところもないけれど、自分が悪いという風に思って、自分をずっと責めていました。」
乳房を失った後遺症で、左腕が上がりづらくなり、ドライヤーやシャンプーなど、美容師の仕事にも影響が出ました。
また、同年代のがん患者が周りにおらず、病気の不安や悩みを共有できる知り合いもいませんでした。
横川千歳さん
「社会との距離感というか、置き去りになるんじゃないかなと、それが一番怖かったです。仕事ができないという部分と、これからどうなっていくんだろうという見えない不安がすごかったです。」
“社会とのつながりを持ちたい”。その一心で見つけたのが、がんなどを患っている人向けのウイッグ作りでした。
オリジナルのウイッグをつくる作業であれば、体に負担をかけることなく、まだ美容師として働けると考えたのです。
既製品のウイッグは、すでに形ができあがっている物が多く、自分にフィットするものを見つけることが難しいのが現状です。
これに対し、横川さんは、均等に長い髪のウイッグを、患者のリクエストに合わせて、カットしていきます。
この15年間で100人以上のウイッグを作り上げてきました。
横川千歳さん
「自分の経験したことが、これから治療を受ける人たちへ、何か役に立てることがあるのかもしれない。患者さんの生活の、一番大事なところを作らせてもらうので、ストレスなく生活の中の一部として溶け込むよう、患者さんらしい髪型に近づけていきたいです。」
抗がん剤治療の影響で脱毛した髪をウィッグで再現するNPO法人、日本ヘアエピテーゼ協会の活動に参加し、再現美容師の資格を取り、多くの患者さんのケアをしています。

『がん=死だと思って、私もう死んじゃうんだ、頭が真っ白になりました』
35歳で乳がんを発症した女性美容師。乳房の切除などの後遺症で、美容師として働くことが難しくなりました。
絶望の中、社会とつながりたいと始めた「ウイッグ作り」。
がん経験者として患者に寄り添い続ける、美容師の思いを取材しました。

(米子支局 映像取材 中島北登)
患者に寄り添ったウイッグを作りたい
倉吉市で美容室を営む 横川千歳さん(51歳)。
美容師として働くかたわら、がんや脱毛症などによって、髪の毛が抜けた人のために、オリジナルの「ウイッグ」を作っています。横川さんがウイッグ作りを始めたのは15年前。
乳がんを発症したことがきっかけでした。治療のため、左の乳房を摘出した横川さん。

横川千歳さん
「胸をなくすという感覚がわからなくて、女の部分と母の部分が失われたっていうところがすごくショックでした。受け入れられない自分がいて、何も悪いこともしていないし、不規則な生活もしていないのにとか考えていたら、行きつくところもないけれど、自分が悪いという風に思って、自分をずっと責めていました。」
乳房を失った後遺症で、左腕が上がりづらくなり、ドライヤーやシャンプーなど、美容師の仕事にも影響が出ました。
また、同年代のがん患者が周りにおらず、病気の不安や悩みを共有できる知り合いもいませんでした。
横川千歳さん
「社会との距離感というか、置き去りになるんじゃないかなと、それが一番怖かったです。仕事ができないという部分と、これからどうなっていくんだろうという見えない不安がすごかったです。」
“社会とのつながりを持ちたい”。その一心で見つけたのが、がんなどを患っている人向けのウイッグ作りでした。
オリジナルのウイッグをつくる作業であれば、体に負担をかけることなく、まだ美容師として働けると考えたのです。
既製品のウイッグは、すでに形ができあがっている物が多く、自分にフィットするものを見つけることが難しいのが現状です。
これに対し、横川さんは、均等に長い髪のウイッグを、患者のリクエストに合わせて、カットしていきます。
この15年間で100人以上のウイッグを作り上げてきました。

横川千歳さん
「自分の経験したことが、これから治療を受ける人たちへ、何か役に立てることがあるのかもしれない。患者さんの生活の、一番大事なところを作らせてもらうので、ストレスなく生活の中の一部として溶け込むよう、患者さんらしい髪型に近づけていきたいです。」
NPO法人 日本ヘアエピテーゼ協会 報道資料