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がんと闘う女性に髪と笑顔を

県内初の再現美容師 松井文子さん

 
県内初の「再現美容師」として静岡市葵区の美容室で、抗がん剤の副作用で髪を失った女性たちのヘアスタイルや美容の相談にのっている。
セミオーダーの医療用ウィッグ(かつら)をカットし、その人らしい姿をよみがえらせる。
眉の描き方やつけまつげのつけ方、治療で黒ずんだ爪を隠すネイルシールの扱い方も教える。
「自分でいたい。自分を失いたくない。その思いに応えたい」
3年前の冬だった。「丸坊主にしてほしい」。ある女性客に告げられた。
抗がん剤に入るのだという。毎日、髪が抜けていくのを見るのはつらいからと・・・・・。
かける言葉が見つからないまま髪にバリカンをあてた。
「アドバイスも何もしてあげられなかった。こんなの、プロといえない」
すぐにインターネットで調べ、再現美容師をつくる NPO法人日本ヘアエピテーゼ協会(東京)を知る。研修を受け、全国で36人目の認定を受けた。
これまでにがんと闘う30人以上の女性を担当。既製品の似合わないかつらをつけ、
 閉じこもりがちだった女性の表情が、鏡の前でふわっと明るくなる。そんな瞬間に何度も出会ってきた。患者同士が悩みを打ち明け合える場を作ろうと、今月23日にはランチ会も開く予定だ。治療が進み、ウィッグではなく、のびてきた髪をカットするのが「自髪デビュー」。
女性たちの再出発に立ち会えるうれしい瞬間だ。
「一番つらかったときにサポートしてくれてありがとう」。
その言葉が何よりの力になる。
問い合わせは美容室ミルソンズポイント(054・251・5060)の松井さんまで。

NPO法人 日本ヘアエピテーゼ協会 報道資料