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かつらで闘病サポート

再現美容師・毛内英克さん

 
抗がん剤の副作用で髪の毛が抜けてしまうがん患者のため、地毛やかつらを整える「再現美容師」として県内でただ一人活動している。医療用かつらを製作するNPO法人「日本ヘアエピテーゼ協会」(東京都品川区)の認定を受け、3年間で200人以上のがん患者を支援してきた。「かつらと気づかれないスタイルが最も求められる」。がん患者の闘病の一助になりたいと日々、努めている。
 
きっかけは、自分を支えてくれた美容師2人を相次いでがんで亡くしたことだった。自分のサロンを持つ前に勤務していた店のオーナーが6年前に亡くなり、その1年後、美容師の道に導いてくれたいとことも死別した。2人とも58歳で、まだ働き盛りだった。
「2人のおかげでここまで来られたのに、何も恩返しできなかった。せめて美容師として世の中の役に立ちたい」。はさみ一本でできる社会貢献の道を模索し、たどり着いたのが同協会の活動だった。がん患者らに大手メーカーの既製品より安く医療用かつらを提供し、1年間無料でかつらや地毛のケアをする。
サロンを訪れるのは30〜40代が最も多い。子どもの送り迎えで外出しなければならない主婦、脱毛のショックを抱えながら仕事に向き合う女性会社員−−。「無理にがんの話を聞くことはないが、ぽつりぽつりと語る人が多い。かつらを売るだけではなく、話を聞くことで精神的な支えにもなりたい」と願う。
がん患者は薬の影響からむくんだり痩せたりして頭の形も変わり、かつらのサイズ調整も必要になる。「お客さんと近い距離で接することを心がけているので、微調整もすぐにできるし、雰囲気を変えたければかつらの毛のカットもできる」。美容師ならではのきめ細かいケアが特徴だ。
最もうれしいのは、患者がかつらを外す瞬間だ。「闘病中の苦労を知っているので、お客さんの笑顔を見るとホッとする。これからも、この仕事を通じて患者さんに寄り添っていきたい」
 
もうない・ひでかつ
1967年生まれ。高校卒業後に東京都内の美容専門学校に進学。都内などの美容院で勤務した後に独立し、95年から、さいたま市大宮区でサロン「K’Palette」を開院している。医療用かつらのケアなどは完全予約制。
問い合わせは(電話0120・266・061)
 

NPO法人 日本ヘアエピテーゼ協会 報道資料