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再現美容師 がん患者支援

医療用かつらで元の髪型


抗がん剤の影響で髪が抜けるショックを和らげるため、さいたま市大宮区の美容師毛内英克さん(46)が医療用かつらを使って元の髪型に戻す「再現美容師」としてがん患者を支援している。患者数は増えているが、かつらの扱いに慣れた再現美容師は少なく、毛内さんは「脱毛の事実を受け入れられず、前向きになれない人は多い。外見を保つことで、患者さんの気持ちを明るくしたい」と語る。
再現美容師は、がんなどで髪を失った患者のための医療用かつらを開発したNPO法人「日本ヘアエピテーゼ協会」(東京)が2006年から認定しており、23都府県の約30店に約100人の再現美容師がいる。
毛内さんは約20年前から、さいたま市大宮区で美容室「K Palette(ケーパレット)」を経営。親戚をがんで亡くしたことをきっかけに同協会を知り、2011年秋に認定を受け、昨年春から活動をはじめた。
元のヘアスタイルに近づけるため、治療前に来店して自分の髪に合わせたかつらを作ることを勧め、治療後には伸びていく髪に合わせてかつらを整える。毛内さんが1対1で対応し、現在は20〜50歳代の約30人の女性が通っている。
県東部の40歳代の主婦は約1年前にがんと診断されて抗がん剤治療を受け、ほぼ全ての髪が抜けた。別の店で作ったかつらは合わず、人目を気にして閉じこもりがちになった。昨年秋に毛内さんのお店を知り、以前のロングヘアに戻すことができ、「生き返った思い」と喜ぶ。
同協会の医療用かつらのほか、他社製のかつらについても様々な相談に応じている。問い合わせは、同店(048・643・6061)。
 
読売新聞埼玉版(2013.5.29)

NPO法人 日本ヘアエピテーゼ協会 報道資料